福井県今立郡池田町 龍双ヶ滝

FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 35-70mm F4.5-5.6 WR

石徹白巡礼を終え、福井県大野市奥地の宝慶寺を参拝した際のルート上で偶然発見した名瀑。
いえ、マップを眺めている時点で「なんか滝があるな。」くらいには気に留めていたのですが、まさかここまで素晴らしい滝だとは…

それもそのはず。あの十津川村の「笹の滝」や郡上市の「阿弥陀ヶ滝」と同様、日本の滝100選に選ばれていたんですね。
滝の姿が視界に飛び込んだ瞬間、もう即座に駐車スペースを探してしまいましたよ。
(ちなみに滝の東西どちら側にも駐車場?駐車スペース?が設けられていました。トイレはありませんのでご注意を。)

約60mの高さから勢いよく流れ落ちる爆流。
えげつないまでの水飛沫と轟音よ…もうたまらんです。
何時間でも眺めていられるなこれは。

そういえば、のんびり滝を眺めるのも随分と久しぶりな気がします。
巨樹もいいけれど、滝だって素晴らしい。
ああ、このお方と比べたら人間なんて本当にちっぽけなもんだな…なんて実感させられる点において巨樹も滝も似ているのではないかと。
そんな圧倒的さ?「こりゃ敵わねえわ感」とでも言いましょうか。それを味わいたいという一心で旅に出ているような気がします。

左手からなかなか立派なカツラの木が被さっていますので、秋の紅葉の時期になるとふわっと漂うメープルのような香りと名瀑のコラボレーションを楽しむことも出来るのでしょう。

余計な人の手を加えてくれるな、という意見も散見しそうですが景観を損ねないこの程度であれば個人的には好印象です。
むしろ滝の真下まで近寄って、裸足でじゃぶじゃぶ水遊びできる喜びよ。
ええ、誰もいませんでしたから、もちろん私一人で裸足になってじゃぶじゃぶ水遊びしてから撤退しましたとも 笑
くそ暑い7月にここで頭からザバーっと水を浴びたときの気持ちよさといったら。きっと死ぬまで忘れないでしょうねえ。

唯一のネックは…とにかく道が極悪です。山奥あるある、ですが。何回落石とか丸太とかどけたか分からん。
(当たり前ですが道幅がこんなに広く、きれいに整備されているのは滝の周辺だけです。言うまでもありませんね?)
まあ私が訪問したのがたまたま前夜に警報クラスの大雨が降ったタイミングだったのもありますが、それを抜きにしても滝へと至る道のりは離合困難な場所が多く、滑落すると死あるのみ、なポイントも多いので充分注意して下さい。特にコロナ禍の夏場ということで雑草も伸び放題になっており、大野市側の宝慶寺以西は「ここで対向車が来たらもう色々諦めるしかないな…」と思わされる箇所がいくつもありました。どこまで路面でどこから崖なのかさっぱり分からんのです。

ところでこの滝についてさっさとまとめてしまおうと思ったのは、昨日北陸地方を襲った豪雨災害の報道がきっかけだったりします。
下手すると地元京都の国道以上に慣れ親しんだ国道8号や365号が土砂崩れで散々な有様になっているのを見ると本当に心が痛みます。
私のような庶民に出来ることは、遊びに行って現地にお金を落とすくらいしかありません。一刻も早く復興が進むことを願っています。

4件のコメント

  1. 腰痛……ご自愛ください。
    と言いつつの冒険日記。これはまた素晴らしく壮大かつ涼感満点の滝ですね。
    ラージフォーマットで撮られた元の写真はさぞかし贅沢なディテールを誇っているだろうなと。実に撮り甲斐ありそう。
    ここまで深山となると気温も涼しそうに見えますが、下界なみの酷暑だったならば、このテラス状に造られた部分に寝そべってのズブ濡れ振り仰ぎ鑑賞不可避ですね。

    自分勝手に少し走った経験の限りでも、今回の豪雨が各所を分断するのに十分な威力であると想像できます。
    日本は秘境だらけ……この先、急速に埋もれていくような予感があります。

  2. > 狛さん
    ありがとうございます。自宅の中こそ危険がいっぱいでした 笑
    まったく、こういう大物を相手にするとセンサーサイズの利を強く実感できますね。
    普段はなぜ自分はこんなムダにでかくて重い物体を持ち歩いてるんだろう…なんて信念もゆらぎますが、
    目の前にある景色の美味しさを一粒でも多く持ち帰るためだ!と考えたら大抵のことは我慢できてしまいます。

    普通車で乗り込めるレベルから逸脱してしまうと、それはもう我々にとって秘境以上の何かになってしまいますからねえ。
    フィルム写真衰退期にも似たようなことを思いましたけど、人口が減りまくって交通インフラが衰退しきる前にこうして
    日本の観光地の裏の裏までたっぷり満喫できた我々は、実は自分が思うよりずっと恵まれた世代なのかもしれません。

  3. 日本の滝100選の名に恥じぬ素晴らしい滝ですね!
    おっしゃるようにこういう名瀑は、巨樹と対峙した時のような打ちのめされ感・感動・畏怖・神聖な感じを受けますよね。
    どちらも自然の中に存在するので、撮影条件が厳しかったり構図が限られていたりと苦労もありますが、
    その経験自体がかけがえのない時間だと思います。
    特に滝は水しぶきやヒューマンスケールが使いづらいという困難もありますが、撮り甲斐のある被写体ですね。

  4. > RYO-JIさん
    日本の滝100選は森の巨人たち100選、新日本名木100選並みに信頼がおけますね 笑
    個人的に笹の滝はその中でも群を抜いて印象に残っています。またのんびり眺めに行きたいんですよねえ。

    仰るように滝は巨樹以上に立ち位置が限られてしまうので、試行錯誤する楽しみがありますね。
    無心になってあーでもないこーでもないと考えながら撮影している時間はコロナも腰痛も全て忘れられるのがいいです。
    今年こそは赤目四十八滝に行ってみたいと思っているのですが、まあヤマビルが引いた秋以降ですかね…

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