兵庫県丹波篠山市 波々伯部神社のスギ

FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 32-64mm F4 R LM WR

本日は大晦日。おこたに入ってぽけーっとテレビを…というのも性に合わず、こうしてチマチマと巨樹記事を更新してみることにしました。
つい先日訪問したばかりの巨樹ですがもう5年半も前、2018年の6月にも訪れたことがあります。
後回し後回しで結局5年間。今回こそは最優先で記事をまとめてしまうことにします。

かつての波々伯部(ほうかべ)村ということで波々伯部神社。なかなかの難読地名ですね。
京都方面からだと丹波篠山の入口にあたる立地にあり、GoogleMapsにも登録のある比較的大きな神社なので迷われることはないかと。
祭神は素戔嗚尊(スサノオノミコト)、奇稲田姫命(クシナダヒメノミコト)、八柱御子神(ヤハシラノミコガミ)の祇園三神です。

なおこちらの鳥居は青銅製の鳥居としては日本最古のもので1490年に建立されたもの。
国の重要美術品に認定されていたため国への供出を免れました。

杉並木を抜けて境内へ。
巨樹、巨木クラスの巨杉が4本立ち並ぶ様が壮観ですが、やはり最も目を引くのは拝殿と社務所の間に立つ最大の大杉でしょう。

幹周は6.7m。
大物揃いのスギの巨樹としては「まずまず」のサイズですが凛とした佇まいはいかにも御神木といった風で、なんとなく気が引き締まる感覚があります。

後ろ側に回ってみると大きな瘤が目立ちます。
鳥居に記載されているのは「波切大明神」でしょうか。「波功大明神」にも読める…
5年前に訪問した際はこの小さな鳥居も狛犬さんも存在しなかった記憶があります。

樹勢は良好。
枝張りが荒々しく、やはり市街地の神社で見る御神木スギとはひと味ふた味違うような気がします。

すらっと伸びる一本杉。
正直、写真でその魅力を伝えるのが難しいタイプの巨樹だと思う。

巨杉と対峙するとき一番好きなアングルがこの真下から眺めた姿なのです。
目の前にそそり立つ巨大な壁のような迫力にクラクラしてしまう。
まあ、やっぱり写真ではその迫力が全く伝わらないような気もしますけれども…と半ば諦めぎみ。

樹高は45m。これはかなりの大きさ。
巨杉そのものも立派ですが何より丹波篠山の空気、波々伯部神社の雰囲気にとてもマッチしているように感じました。
この空間全域の雰囲気がいい、とでも言いましょうか。寝ぼけた脳が覚醒して背筋がシャキッと伸びるような感覚がある。

こちらは2018年6月の姿。常緑樹のスギといえど夏と冬では随分違って見えるものだなと。
緑が生き生きとした夏場の訪問も悪くありませんが、個人的には空気がピリッと引き締まった冬場の訪問の方がオススメかもしれません。

こちらは鳥居真横に立つ大ケヤキ。
目測で幹周5mほどでしょうか。こちらも巨樹としての成長が期待できます。

毎年このケヤキにはアオバズクさんが営巣するそうですよ。
(野鳥撮影のためにまた再訪してみたい…)

最後に鳥居をくぐってすぐのところに立つ大ケヤキの成れ果てた姿。
こちら相当な巨樹だったものと思われます。右下のものが幹の断面だとすると7~8mくらいはありそう。

ということでスギの巨樹以外にも見応え十分な波々伯部神社。
近くには「辻の四本杉」や「安田の大杉」など見ておいて損のない巨樹が多く立ち並ぶエリアなので、
巨樹愛好家なら丹波篠山近辺だけで軽く一日潰せてしまうはず。

(というか、一日では回りきれない数の巨樹が並んでいます。これらを一日で回りつくすなんてもったいない。)

2023/12/29訪問
「波々伯部神社のスギ」
樹齢 不明
樹高 45m
幹回り 6.7m

兵庫県丹波篠山市宮ノ前3-2

4件のコメント

  1. このスギは完全にノーマークでした。
    正直幹周だけで判断してしまった存在かもしれません。
    丹波篠山の空気、波々伯部神社の雰囲気とマッチしてという文言にハッとさせられましたよ。
    そうだ、現地に行って感じるそういう良さも大切なのだったと。
    ケヤキや枯れたケヤキも含めてしみじみ感慨深い場所だと想像します。
    丹波篠山エリアは巨樹抜きでも撮り歩きたい場所、もちろん巨樹も密集してあるのでゆっくり行きたいですね。

  2. > RYO-JIさん
    ノーマークも止む無し、ですよねえ。
    この先にある日本一のモミなどなどライバルたちが強力すぎる…

    現地に行って初めて分かる良さってありますよね。巨樹に限らず風景や観光名所、何にでも言えることかもしれませんが。
    ああ、こういうの好きだなあというあの感覚。どれだけWebが進化しようと、あれだけは現地に足を運ばないと味わえません。

    篠山の城下町もなかなか風情ある街並みなので、街歩き含めたら余裕で一日潰せるエリアだと思いますよ。
    そこまで混雑しないというのも我々にとっては外せないポイントです 笑

  3. 広い境内にものすごく背の高いスギ巨樹。撮影者泣かせですね。
    頑張って撮ったとしても満足はいかず、他に語るべき巨樹が出てきてしまうとどうしても後回しにしてしまう……たいへん共感できます。
    極端な地形や環境にあればスギでも樹種生態の面で語ることが出てきますが、このシチュエーションでは、うーん、それもなさそう。
    それだけに、地道に齢を重ねて神木としての地位を築いてきた巨樹だということですね。

    波という字が神社の名前にも入っているし、地域では波切大明神とされているのか? これは明らかに波切不動に関係し、ということは神宮寺的な寺があるはずだ、と地図を見てみましたが、ありませんでした。笑
    しかしおかげであの有名なデカンショ街道沿い、電気ビリビリトラップで有名なあの「辻の四本杉」の近くだと実感できてうれしくなりました。
    いかにも歴史と巨樹に恵まれていそうな土地柄が思い出されます。
    この神社の複数の巨樹からも愛着が感じられますし、ぜひまた伺いたい地域です。

  4. > 狛さん
    流石ですね。仰るとおりで、ただっ広い境内で撮影の自由度が高いと余計に難しい…
    立ち位置が限られてるとむしろ思い切って撮影できるのですが。比較対象が隣の巨杉というのも泣かせてくれます。

    私も波切不動明王にまつわる何かなのか?と思い少し調べてみましたが、結局関連性を見つけることができませんでした 笑
    数年前訪れた伊勢志摩の先っぽにあった波切神社とも関連があるとは思えず。謎ですね。
    この辺りを通る度、どうしても狛さんとの電撃トラップ旅(ちょっと違う)を思い出してニヤニヤしてしまいます。
    機会があれば是非またあの辺を一緒に駆け抜けてみたいものです。

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