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旅の断片


LEICA M10 / TTArtisan APO-M 35mm F2 ASPH.

海沿いを自転車こぎこぎ、休憩のため立ち寄った公園より。
水道の水を頭からざばーっと被ると生き返った心地がした。
ベンチに腰掛けて記念に一枚。

こちらLEICA M10の撮りっぱなしJPGだけど、M10で撮ったこの空の発色が好きすぎる。
少し褪せた色再現がまるで私の曖昧な記憶そのもののようで、後日見返すと「そうそう、これこれ。この感じ。」みたいにスッと馴染む感じがある。
国内メーカーでは唯一FUJIFILMがこの「記憶色」の表現を模索できていると思っている。
フィルムシミュレーションが他社の「なんたらイメージ」的なものと一線を画しているのはその考え方の軸にあるのではないかと。

記憶色の模索を「オシャレ」、「エモい」などとくそチャラい方向に解釈してしまうあたり、他所の国内メーカーでは如何にもカタブツのおっさんが頑張ってるんだろうなあ、感が漂ってどうも…ろくな写真経験もない若いオネーチャンを起用して、オサレ旅スナップみたいな…いや、そういうのじゃないんスよ。もっとこう、実際には行ったこともなければそこで過ごしたこともない風景写真を見て懐かしいなあと郷愁を感じてしまうみたいな。心のスキマにスッと入り込んでくる自然な表現。そういうものだと思うわけですよワタクシは。

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