長野県松本市 横川の大イチョウ

SONY α7II / SONY FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G

長野県入りして「梓川のモミ」を離れ、群馬県…つまり東へと向かいます。本来であれば最短ルートは国道254号を通って佐久、軽井沢を抜けるコースなんでしょうが、そちらは夏休み中ということもあって渋滞不可避だろうとの予測を立てて国道143号線を抜けて144号線へ。つまり青木村→上田市→嬬恋村というどちらかと言えばマイナーなルートを抜けて行くことに決めたのでした。

この「横川の大イチョウ」は元々決めていた目的地ではなくて、たまたま見つけた巨樹なのです。というか143号線沿いに立ってるんですよ、これが。こんなもの見せられたら巨樹好きとしては車を停めて立ち寄るしかないでしょう。うん。

これで無名のイチョウということはないだろう…と近付いてみると、やはり天然記念物 公孫樹(イチョウ)の文字が。奥には「横川の大いちょう」と書かれた杭も立っています。麓に潜り込んでみると、太い1本の主幹から放射状に分かれた枝の姿が窺えます。サイズは申し分ありませんが、この姿から想像するに結構若い巨樹のようです。

側には案内板も立っていました。なになに…うん。この大イチョウ個体の説明というよりはイチョウという種の説明がほとんどですね。個人所有ということなので恐らく成り立ちであるとかの類は不明なのでしょう。古くからの街道に目印として植えられた、とかそのような感じではないでしょうか。

(何故かこの写真だけ周辺減光が酷かった…心当たりなし。)

とにかくよく目立つんですよ。ちょうど単調な道に飽きてきたな…と思った頃にひょこっと現れるので強く印象に残っています。さて、ここらで休憩だなと。標高1,000メートルは軽く超えていると思うので、あのクソ暑さ(本当にもう、あのクソ暑さ!ですよ。)が嘘のようにひんやりしたそよ風が吹いていたのを思い出します。

(後になってみるとここで休憩を挟んだのは本当に正解で、実はこの大イチョウを過ぎると中央線もないグネグネの山道に入って、群馬県まで延々とここまでの何倍も単調な薄暗い山道が続くんです。休憩スポットなんてもちろんありませんよ?「道の駅 八ッ場ふるさと館」まで2時間くらい一切の休憩が取れなかったのが懐かしい。)

あのうんざりする日差しすらも心地良い。
きっと秋になると地元の方はここでイチョウを眺めながらのんびり茶でもシバくのでしょう。

奥に小さな集落が見えますが、丁寧に手入れされているようです。
真夏にもかかわらず剪定された枝や集められた落ち葉が置かれていました。人に大切にされている巨樹というのはそれだけで良いものです。見に来てよかったなあと温かい気持ちで帰ることが出来る。それ以上何を求めるというのか。

Lightroomで画像を眺めていたらまたあのルートを通りたくなってきたから困る。
いや、本当に困るんですよ。楽しかったけど決して楽ではないし 笑

横川の大イチョウ
長野県指定天然記念物
樹齢 不明
樹高 約25m
幹周り 約5.3m

長野県松本市中川横道下4825-1

4件のコメント

  1. これは立ち止まりますね。そして、こうした邂逅の嬉しさというのは案外後々まで記憶に残るものです。
    標高1000メートルの高原ということですが、インド原産でありながらほんとあちこちに定着しているイチョウさんはやっぱすげえと思ってしまいます。
    シイなどは生態はたくましいですが、寒い地域や標高の高いところにはあまりありませんし……。
    イチョウの巨樹にしては形が綺麗なのもいいし、他のサイトで黄葉の写真も出てましたが、これもなかなか見応えがありました。
    そこに大きな樹がある、という、現地では当たり前の光景や在り方というのがまたいいものです。

    話は違いますが、貧乏なのでチェックしてませんでしたが、各社随分ユニークなカメラを構想してるようですね。
    しっかりシグマ社が参戦しているところに野望を感じますが、ツァイスの変なカメラがキワモノっぽくて1回でいいから撮ってみたいです。
    いやほんと……1回でいい。かも。笑

  2. > 狛さん
    偶然の出会い、良いですよね。これぞ旅の醍醐味という気がします。
    ちょっと鬱蒼と茂った神社なんか見つけると、ついつい覗いちゃいますよね。大抵スカなんですが。
    イチョウさんは本当に逞しい。人類が滅んだ世界でも同じように逞しく生きてるんだろうなと思います。
    またこのルートで行きたいと思う気持ちもあり、佐久方面の巨樹が気になる気持ちもあり…悩ましいです。

    各社急に突っ走りはじめましたよね。シグマさんなんか絶対レンズの提供だけだろうと思ってたらカメラまで作るとか。(やめときゃいいのに 笑)あのLマウント連合軍は常識的なレンズをパナが、貧民向けをシグマ様、石油を掘り当てた天上人向けにライカと現時点ではレンズのロードマップ的に一番有利なんじゃないかと思います。ツァイスの変態コンデジは僕も触ってみたいです。狛さんが買ってしまいそうな気配がプンプンするので、もし購入されたら触らせて下さい 笑

  3. あぁ、旅先でのこういう一期一会は印象深いですよね。
    もう旅の醍醐味と言ってしまっていいかと思います。
    ただし、急ぐ旅の場合は泣く泣く通過することにもなりますから
    かえってストレスにもなります(笑)。

    幹周5mとは思えない存在感です。
    枝の伸び具合もとにかく元気でよろしいと声がけしたくなるレベルかと。
    いい出会いでしたね!

  4. > RYO-JIさん
    無名の巨樹未満のものであっても何だか嬉しくなってシャッターを押してしまいますねえ。
    急いでいるときや、あとは家族でたまたま通りかかるときなんかも密かにストレスになりますね 笑
    ちょっとだけ見てきても…とは言いますやっぱりが落ち着かないし、スルーすること多々です。

    周囲が開けていることもあって、この巨樹は本当に目立ちました。形が綺麗なのも良いです。
    この後出会ったイチョウは完全にモリゾーだったので、この時期にイチョウの美しい姿が楽しめたのも地元の方のおかげだったのだと思うと本当に頭が上がりません。

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