- 2021-11-05 (Fri) 10:02
- Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8 ZM | LEICA APO-SUMMICRON-M 90mm F2 ASPH. | ぶらり一人旅
LEICA M10 / Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8 ZM
毎年この時期になると若くして亡くなった友人のことを思い出す。一回り近く年上の友人だったが、いつの間にかそんな彼の年齢も飛び越えてしまったらしい。月日の流れの早さに驚く。このサイトのドメインwithphotograph.comは当時の彼の写真サイト「with photograph」からいただいた。無断で拝借させてもらったが、きっと彼なら笑って許してくれるだろう。
LEICA M10 / LEICA APO-SUMMICRON-M 90mm F2 ASPH.
昔の自分は格好いい写真を撮ってやろうとか、あいつより凄い写真を撮ってやろうとか、そんな気持ちで写真と向かい合っていたように思う。それはそれで刺激的で楽しい毎日ではあったのだけれど、彼が亡くなる直前に撮っていたネガを見て以降はそんなことどうでもよくなってしまった。外を出歩けないからベランダから空を撮る、足元のサンダルを撮る、ベッドから起き上がれないから点滴を撮る。ああ、この純粋な撮りたいという感情の発露こそが写真なんだと、そんな風に感じた。何がどう写っているかとか構図がどうとか実に下らない話だ。撮りたいから今すぐシャッターを押す。以上。それと比べたら己のストリートスナップ紛いの何と薄っぺらいことか。
当たり前に起きて、手足が動いて、腹が減って、そして当たり前にやってくる日常にめんどくせえな、なんてぼやきながらも毎日を生き続ける。他人から見てどれほど退屈な写真であろうとも、そんな当たり前の世界にまっすぐ向き合ってシャッターを押したい。今は本当にそれだけの気持ちで写真を撮っている。当たり前のように明日がやって来ることに感謝しなければいけない、なんて言葉にするのは簡単だが、愚鈍な人間の見本たる私はどうしてもそれを忘れてしまうわけで。そこはまあ気軽に考えて、たまーに「今日も写真が撮れるなんて、まったく俺はツイてるぜ!」なんて思い出すことが出来たら人生そう悪いものにはならないのではないかなあ。
ってどこが愛媛の記憶やねん。
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