- 2024-01-30 (Tue) 15:02
- FUJIFILM GF 32-64mm F4 R LM WR | シイ | 巨木たち（地域別） | 巨木たち（樹種別） | 福井県
FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 32-64mm F4 R LM WR
大雪のため主要道路以外は雪に埋もれて通行不可な状態。今回の敦賀旅で巨樹に寄るつもりはありませんでした。
しかし、たまたま出会ってしまったのだから仕方ない。
敦賀市内から県道33号線を北上して敦賀半島へ。国の名勝気比の松原から10分ほどでしょうか。
海沿いの快走路を走り抜けていると左手にこの常宮（じょうぐう）神社が見えてきます。
参拝目的で車を停めてみれば、鳥居の手前にひときわ目立つシイの木が生えているではありませんか。
おいおいおい…と一人ブツブツ呟き、小走りで車まで三脚を取りに戻るのでした。
ちらっと横目に見ただけでもなかなかの大きさ。こんなところにシイの巨樹なんてあったかな…
帰宅後調べてみましたが環境省の巨樹DBだけでなく、どうやら有名巨樹サイトにも未掲載のようです。
いや、これ結構デカくないか？常宮神社には過去数回訪れているのに何で今まで気付かなかったんだろう。
根元が完全に雪で埋もれているので測定は断念しましたが、ざっくりとした目測でも幹周5～5.5mくらい、測定位置によって6mほどあるのではないかと。
幹の質感は如何にも古木といった風格があり、雪解け水にしっとり濡れて薄黒くなった樹皮が一層存在感を引き立てていました。
………良い。
完全ノーマークだったスダジイ巨樹。さらにこの迫力。これぞ冥利に尽きるというものです。
アグレッシブに細枝を伸ばす姿が格好いい。メデューサ・ヘッドのようだ。
シャアッ！！と頭の蛇たちが一斉に飛び掛かっているみたいな。
こちらは参道側からの姿。
枝が落とされていたり茸の付着が見られたりもしますが、目立った枯損箇所や大きな空洞も見られずスダジイの巨樹としては健康そうに見えます。
こちら側から見ても波打つ樹皮が立体的でかなりの迫力がある。
何でこのスダジイが各巨樹サイトのリストから漏れているんだろう…
大きく見えるだけで測定すると実はそこまででもないのか？と不安になる。
どう控えめに見積もっても5mはありそうに思えますが。
ずんぐりむっくりしたブロッコリー型のタイプが多いスダジイですが、こちらはスラッと背の高いタイプ。
真下から見上げてみると黒く湿った樹皮がカシの巨樹のような怪しい雰囲気を放つ。
枝葉の付きが良く樹勢も比較的良さそうです。
樹高は目測で20mに届かないくらいでしょうか。
根元の石灯篭の高さが2m以上あるので樹高15ｍは確実に超えていると思う。
道路を挟んで右側には敦賀湾が広がっています。
目の前の景色。晴れていれば見事な絶景ですが、冬の北陸はまあ大体こんなものです。
ちなみに対岸に見えるのは火力発電所。その手前海側には北海道行きフェリー乗り場のある敦賀新港が。
新港の大突堤はサゴシ（サワラのちっちゃいの）がよく釣れることで有名でしたが、海難事故が多発して現在はフェンスで塞がれ立入禁止です。
敦賀半島の先端にある原発まで社叢を突っ切ってバイパス道路を通す計画があるようなのですが…いや、そもそも要るのか？と。
社殿の脇に広がる社叢には巨樹、巨木クラスのスダジイも散見しました。是非とも守り抜いていただきたいものです。
（そちらの写真も撮影したかったのですが害虫被害で落ち枝が酷いため、ロープが張られて立入禁止になっていました。）
社叢全域を天然記念物指定してもらえるといいのですが。
原発マネーに土建屋、指定せんとする政治的しがらみが色々あるのかもなあ。
雪が解けた頃にメジャーを持って再訪したい巨樹。
実測完了次第、正確な幹周を追記する予定です。
2024/2/28 実測しました。
6.51m。紛れもない巨樹でした。
2024/1/27訪問
「常宮神社のスダジイ」
樹齢 不明
樹高 目測約18m
幹回り 6.51m
福井県敦賀市常宮13-16
コメント:6
- 狛 24-01-31 (Wed) 21:31
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ノーマークの巨樹に出会い、おいおいおい……！ と急いで三脚を取りににもどる。
ちょっと待ってよー！ とかも言ったかも。相手、樹木だから逃げていかないんですけどね。笑
こういうの、いかにもスダジイらしい出会いです。
さすがにもう日本一レベルは出てこないでしょうけど……と言って、三宅島の例を考えるとあるかも……見どころのある中堅クラスならまだまだ埋もれていそうで、思わぬ出会いがあっていいですよね。
そういえばこちらも前回関東で……いや、早く写真現像して記事にしたくなってきました。頑張らねば。
この、幹上部にむりやりタカアシガニを接合したみたいなすさまじい有様は、以前to-fuさんと見た茨城の寄生樹を思い出させます。
思えばアレも正月だった……年のはじめにエーリアンに出くわす縁でもあるんでしょうか。
そしてすぐ目の前には沁みそうな雪の敦賀。いいですね。この町近辺に巨樹はそう多くなかった印象でもありますし、道路建設なぞで伐ることなく長く守っていってほしいものです。
雪中のスダジイの黒くて荒々しい姿は見るからに撮り甲斐があります。知られていなくてもこれは立派なご神木ですね。 - to-fu 24-02-01 (Thu) 9:04
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> 狛さん
ちょっと待ってよー！は言ってますね。それも半笑いで走りながら 笑
三宅島のようなことは早々なさそうですけど、カツラやトチなんかはまだまだ日本一レベルが山奥にひっそり眠っていそうな気がしますね。
基本的に先人の足跡を辿ることの多い世界ですが、たまにこうやって予期せぬ出会いがあると自分はたしかに巨樹の世界に深く
関わっているのだと感じられて素敵です。まあ、家に帰って調べてみると大体どこかの誰かのマーキング済みなんですけど。
ああ…あのシイはもう一度眺めてみたいですよ。何とか格好よく？よりグロく？撮ってみたいです。
敦賀エリアはランカークラスの巨樹がないこともあって街歩きに終始しがちだったんですが、実はまだ未訪問のシイやスギが
何本も点在してるんですよ。今年はその辺から手を付けるのも悪くないかなと。このスダジイにしても、目の前のロケーションも良し！で
ある意味とても敦賀らしいと言いますか、立ち寄るだけの価値ある一本だと思います。 - RYO-JI 24-02-01 (Thu) 12:16
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予想外の巨樹出現に慌てつつも口元が綻んでいらっしゃる様子が想像できて私もにやけてしまいました（笑）。
そしてまさかの巨樹DBやサイトにも未掲載だとは・・・これは本当に嬉しい出会いですね。
湿度をたっぷり含んだ樹皮の質感がとても素晴らしい。
海外沿い、しかも積雪の中にそびえるスタジイとまぁ日常見慣れた光景とは全然違うので新鮮で見応えありますよ。
バイパス建設は気になりますねぇ。
地域住民の方には必要なのかもしれないので外野の身としては何とも言えませんが、双方良い結果になって欲しいものです。 - to-fu 24-02-02 (Fri) 21:42
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> RYO-JIさん
きっと巨樹巨木の愛好家なら皆同じ顔して小走りしてしまうと思います 笑
雪＋海＋巨樹というだけで非日常のカタマリなので、もう一人勝手に盛り上がってしまいましたよ。
地味にありますよね、未掲載巨樹。敦賀だと他にも国境スキー場を抜けて滋賀のマキノから福井県入りするルートがあるのですが、
そこの敦賀側に恐らく5mくらい？のエノキの巨樹があります。それも未掲載。撮影してみたいんですけど駐車スペースがなくて…
この神社のもう少し半島の根元に半島の逆側へ続くキレイなトンネルが抜けてるんです。もし災害が起きても対岸側から
ぐるっと簡単に半島先端までアクセスできるので、バイパス要るのかな…と。やっぱり地元の土建屋との政治的なアレでしょうか。
日本中どこに行ってもそんな話ばかりで嫌になりますよ。 - 123 24-02-13 (Tue) 2:08
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偶然の出会いは嬉しい物ですね
比較を見る限り1.3mの高さだと幹回り6mはありそうでスダジイとしてはなかなかのサイズ
まだまだ知名度が無い巨木は多いでしょうね 特に地方なんかは人員不足である程度しか回っていないでしょうから
もしかしたら蒲生のクス以上の物もまだ眠っているかも・・・と考えると夢があります・が
まあ自分の様な高所恐怖症持ちの個人では行くにしても限度があるのが辛いところ
取り敢えず五所神社の大杉にチャレンジしてからですかねえ
どうも立地的に尻込みしてなかなか踏ん切りがつかないんですよね・・・ - to-fu 24-02-13 (Tue) 18:59
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> 123さん
ごく稀にこういう出会いがあるからたまらないですね。
私も恐らく6mくらいあるのではないかと…かなり目立つ立地なので、これが名もなきスダジイとは驚きでした。
数年前に三宅島で日本最大のスダジイが見つかったばかりですし、実は日本中にまだ見ぬ大物が潜んでいるのかもしれませんね。
地元の方は昔から知っているけど全国区では知られていない巨樹。三宅島クラスの大物を抜きにしてもまだまだ存在しそうです。
五所神社の大杉は高所恐怖症的な怖さはあまりないと思いますよ。
コメントを下さっているRYO-JIさんは高いところが苦手だと仰ってましたが、五所神社では平然と撮影されてました。
あちらの祖谷方面でしたら大豊町の「六社聖神社の杉」が群を抜いて恐怖だと思います。私もガクガクと足がすくみました 笑
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