- 2025-02-27 (Thu) 20:54
- FUJIFILM X100VI | カシ | 京都府京都市 | 巨木たち（地域別） | 巨木たち（樹種別）
FUJIFILM X100VI
まだ私が巨樹に興味がなかった時代のことです。
私よりずっと早く巨樹の魅力に気付かれていた友人、狛さんが京都に立ち寄ってくださるというではありませんか。
どうせなら京都の大きな木を一緒に見に行けないだろうかと前日に一人ロケハンしたのがこのカシとの出会いでした。
「なるほど。そうして狛さんとこのカシを見に来たことが巨樹にハマるきっかけになったのね。」ですって？
いやー当時ズブの素人だった私にはこのカシが大きいのか大きくないのかもよく分からず、別のもっと分かりやすい巨樹に白羽の矢を立てた次第。
今となってはこのカシも是非狛さんに見ていただきたかった！と悔やむばかりです。
ちなみにその日二人で散策したのが同じ京北エリアの「伏条台杉群生地」。
大雨の中ずぶ濡れになりながら無心で圧倒的存在に対してシャッターを押した心地よさが忘れられず、私もまんまと巨樹の虜となってしまいました。
こう言っては何ですが、カシ巨樹は大物ひしめく巨樹界においてあまり目立つ存在ではない…まあ地味なポジションであるのは間違いないでしょう。
カシ巨樹を見て人生観が変わりました！だとか、カシ巨樹の写真をSNSにアップしたら大バズりしたぜ！とか、そんなインドみたいな存在ではない。
しかし何度も眺めていると、そんなカシにも良さがあるのが分かってくるわけですよ。
「馴染みのうどん屋」みたいな。めちゃくちゃ美味しいわけではない、だがそれでいい。それがいいんだ。
すごく失礼な例えですが私はこの巨樹にそれくらいの親近感を感じるのです。なんだかんだ、あれから最低でも年に数回はここに通っています。
カシの宿命の如く空洞化した幹も、そこまでの悲壮感は感じられません。
周囲が開けた田園地帯ということで比較的日当たりの良い立地がポジティブな印象を与えているのかも。
根本から二股に別れた幹は私が初めて訪れた頃から片方がへし折れてしまっている。
ただ全体的に葉の付きもよく、それなりに樹勢はよさそうに見えます。
根本の写真だけ見るとなんとなくコンパクトに見えてしまいませんか？実は樹高が27mもあるという。
まだまだ健康そう見えるのですが小さな茸の付着も見られるので少し心配です。
内部が菌糸でぐずぐずになっていなければよいのだけど。
こちらはへし折れた側の幹。いや、見れば分かるか 笑
折損した箇所からは既に生命感が失われているものの、よく見ると樹皮を這うように新たな幹が生長しています。
この数年間だけでも一気に大きくなったように感じるので今後に期待したいところです。
小さな丘のてっぺんに生えているのでまず迷うことはないかと。
まあ迷うほど広い社叢でもないのですが。
解説板には特に記載がありませんでしたが、この丘は古墳か何かなんでしょうかね。
京都市内では珍しい白山神社。江戸初期の寛永元年（1624年）に建立されたと伝えられています。
拝殿の裏手に見えるのが「白山神社のカシ」を擁する神社の社叢です。
写真の右手には車2～3台ほど駐車可能な駐車スペースあり。
京北町指定…でしたが京北町は京都市に併合されて京都市右京区京北になったため、現在は京都市指定天然記念物ということになります。
ツクバネガシの巨樹は全国的に見てもあまり多くないレア種ではないでしょうか。
（このカシ以外に見たものだと、滋賀県高島市朽木の「邇々杵神社のツクバネガシ」しか思い浮かばない。）
本当に静かでいいところなので、心がくたびれたときにのんびり眺めるのがおすすめです。
コメント:2
- 狛 25-03-02 (Sun) 15:55
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雪化粧の中でも、半身が朽ちていても、青々と艶やかな葉をつけているカシになおさらの凄みを感じます。
特にこのカシの姿は一度見たら忘れられないものがありますね。
幹周５～６メートルもあれば特有の迫力を放つところ、株立ちとしても7.9メートルなんてカシは全国視野でも本当に数本という希少レベルじゃないでしょうか。
あの当時、身の振り方に色々あって、だからこその変な駆動力があったよなあと思い返しました。
その数年後に例のパンデがくる……また、そのスパンだけ見ても気候災害が増えたような気もする。
あの時動いておいて良かったです。 - to-fu 25-03-02 (Sun) 21:22
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> 狛さん
当時は自分の中に経験、基準がなかったので「これは巨樹なのか？」と確信が持てませんでしたが、もしまた来られることがあれば是非とも案内したいカシです。
仰るようにツクバネガシの巨樹としては全国クラスだと思うんですよね。
私もあの頃は写真から完全に離れていたんです。写真にまつわる人間関係がめんどくさくなって 笑
狛さんが来られるなら！と久々にレフ機を持ち出しましたが、写真ってやっぱり面白いもんだなと。
前日に会われていたのがまさかのRYO-JIさんだったり、世の中上手いこと繋がってるなあと思いましたよ。
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