
FUJIFILM X-E5 / FUJIFILM XF 56mm F1.2 R
猫写のためだけに持ってきたといっても過言ではないXF56mm F1.2。
考えてみれば、私がイイ!!と感じているXマウントレンズはどれも初期ラインナップのものばかりだ。

等倍拡大してみると細部までキリッとシャープ、なわけでもなくて、ピント面はじわっと光を拡散するように僅かに滲んでいる。
この滲みの中にレンズ開発陣の写真魂を感じるし、その絶妙な計算の狂わせ方にこそ設計者の妙があるのだろう。
最近ラインナップされたレンズはどれも非常に高性能だ。ただ、愚直に性能だけを求めているようで魅力が感じられない。
設計の根底にあるものはコンピュータの緻密な計算ではなく、あくまで設計者の思想であってほしいのだ。
スピーカーの音へのこだわり然り、レンズの描写も正解が存在しないところにこそ面白さがある。

というのが基本的スタンスではあるのだけど。
最近は高性能なだけで退屈なレンズで敢えてメチャクチャに撮り散らかすのも面白いかもしれない、とか考えたりもする。
要するに何が言いたいのかというと「そろそろ新しいレンズが欲しいなあ」と、それだけの話なのだった。
新しいレンズ、欲しいなあ…とぼやきながら数千円握りしめて運転免許更新へと向かうだけの悲しい一日。