
SONY α7RIII / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
6年前、2019年の年の瀬に訪れた一風変わったクスノキをご紹介。
巨樹撮影に多少の冒険心を望む私としては街中の巨樹をあまり優先的に見ないのですが、こちらは別腹のクスノキです。
この窮屈な立地。ええ、これだけでもうタダモノではないことが伝わるのではないでしょうか。

はい、まずは場所を。京阪萱島駅。以上です。
駅から徒歩○○分?いやいや、京阪萱島駅なんですって。駐車スペースは無いので近隣のコインパーキングに駐車して下さい。

なんと駅構内をズドンと突き抜けるその立ち姿。
全国広しと言えど、このようなクスノキ巨樹が見られるのはここ萱島駅だけではなかろうか。
高架下に鎮座する萱島神社の御神木として大楠大明神、萱島の大クスノキが屹立しています。
私がここで撮影していた短時間の間に何人もの参拝者が訪れ、地域の方に大切に扱われていることが窺えます。
大阪の「薫蓋樟」然り大阪の街中にはたくさんのクスノキ巨樹が存在するのですが、そのどれもが邪険に扱われることなく敬愛すべき隣人として大切にされているように見受けられる。巨樹好きの余所者としてはそのような様子を見る度、何とも嬉しくなってしまうのです。流石は人情の街大阪。

実のところ70年代に線路が高架化される際、伐採される予定だったそうなのです。
しかし地域の激しい反対にあってクスノキを後世に残すことに決めたのだとか。
素晴らしい!流石は人情の…(しつこい)
この辺りは萱島(かやしま)の地名どおり、江戸時代中期まではカヤやアシが覆い茂る寝屋川の河川敷でした。
現在の窮屈な姿を見ていると栄養や水分が足りているのか不安になってしまいますが、元々が豊かな土壌なのでしょう。

高架を突き抜けるクスノキ。ははっ、なんだこれ…変な笑いが込み上げてきます。
流石に多くの大枝が切り落とされていますが樹勢は上々の様子。

入場券を買って駅構内へ。すごい 笑
いやいやこれはとんでもないことですよ?これぞまさに自然との共生。
全国各地で環境破壊も何のそのの開発が行われていた1970年代にこのような決定が為されたことに驚きを禁じえません。
普通住民の反対にあっても強行して伐採されてしまうものではないでしょうかねえ。京阪電気鉄道の粋な決定に脱帽ですよ。

地元の方にとっては当たり前の景色なのでしょうけど、皆さん平然とされているのがシュールで良いなと。
私なんか何も知らずにエスカレーターを上ってこの景色を目の当たりにしたら、ギョッとして即座にカメラを取り出しますが。
近代建築と大クスノキの見事な組み合わせが昭和58年第三回大阪府都市景観建築賞奨励賞を受賞。
平成元年には「大阪みどりの百選」にも選ばれているそうです。鉄道マニアにも有名な景色で全国から撮影に訪れるのだとか。
たぶん私もテッチャンだと思われていたのだろうなあ…

年末の訪問ということもあって葉の付きが若干寂しいですが健康そうな樹冠ですね。
寝屋川までの渋滞を思うとなかなか足が伸びないものの、暖かい時期にまた再訪してみたいものです。
まあ、別に車で行かなくても京都市内から京阪電車ですぐなんですけど…

なんだこの景色 笑
一見の価値ありだと思います。

ごく一部のレジェンド巨樹を除くと、基本的に巨樹がおカネを生むことはほとんどありません。
ただそれでも営利企業の粋な心遣いで一命を取り留めた巨樹が、今なお地域の方の心をほんの少し豊かにし続けている。
人間もまだまだ捨てたもんじゃないな。そんな気持ちに浸れる稀有なクスノキです。久々に眺めに行きたい。
2019/12/28訪問
「萱島の大クスノキ」
寝屋川市保存樹
樹齢 推定700年
樹高 20m
幹周り 7.0m
大阪府寝屋川市萱島本町19-1
改めて目を疑う光景ですね(笑)。
街への溶け込み方がこれほどユニークな巨樹は他にないでしょう。
しかもそれが大阪という土地にあるのがいかにもでいいですね!
私が行ったのはもう8年も前だと今知って驚きつつも、同じくまた見に行きたくなってしまいましたよ。
> RYO-JIさん
このクスノキの存在はRYO-JIさんの訪問ログで知りました。
これは行かねばならん!と即座にマップにチェックを入れましたっけ 笑
訪問時期や天候が悪かったものに関しては、できるだけ再撮影して記事にしたいんですけどねえ。
このクスにとってベストな時期=他の巨樹にとってもベスト…うーん、贅沢な悩みではあるのですが。