- 2018-04-06 (Fri) 20:53
- FUJIFILM XC 16-50mm F3.5-5.6 OIS | スギ | 京都府京都市 | 巨木たち(地域別) | 巨木たち(樹種別)
FUJIFILM X-Pro2 / XC 16-50mm F3.5-5.6 OIS / Film Simulation PROVIA / Grain Effect weak
【再訪・京都市右京区京北 片波川源流域の伏条台杉群生地 1】の続き。
ここから一時下ります。遊歩道として整備されていますがかなりの急勾配なので足下の悪い雨天時はご注意下さい。転倒すると無事では済まないかもしれません。
この二の峰からの下りゾーン一帯はかなり見応えがあります。
もう大小の感覚が完全に狂ってしまうくらいたくさんの巨樹が群生していました。
こんなのもう杉じゃないよなあ…何か別の巨大生命体のように思えてくる。
個人的に気に入ったのがこのお方。
フォルムが良いんですよ。
案内図に記載されていた”三本杉”だと思われます。
カエデの谷を抜けて平安杉方面へ。
日差しと吹き抜ける風の気持ちいいポイントですが、うっかり滑落すると酷いことになりそうなので注意。
このお方も懐かしい。
雨の日のあのおどろおどろしさは薄れていますが、やはり人の顔にしか見えない。この森に迷い込み、不幸にも木に取り込まれてしまった人間の怨念が…なんて妄想が膨らみます。
そしてこの群生地最大の平安杉。
寿命2,500〜3,000年と言われる縄文杉に対してこの群生地に生える芦生杉(アシウスギ)の寿命は1,000年ほどだそうです。推定樹齢800年の平安杉はかなりの老木と言えるでしょう。
物凄い迫力。でもそこに雨の日に見たような威圧感は無く、優しく語りかけてくるような暖かさを感じました。
奈良県の国宝・七支刀のように枝分かれした幹と枝。この35mm換算24mmのレンズではとてもじゃないが収めきれない。ホント肉眼って優秀なレンズだよなあ…
朽ちて倒壊した幹。どれだけ歴史ある古木、名木であろうと死すれば他の名も無き木々と平等に土に還る。人間だって同じ。偉人も犯罪者も、未来ある子供だって死んでしまえばそこで平等に終了なわけです。無常ですねえ。しかし儚い人生だからこそ日々精進し、何より毎日を楽しまないといけないなあなんて思うのです。
枝から地面に根を張り、新たな幹となって増殖する伏条更新。
この群生地の杉たちはひょっとすると元々は1本の杉から派生していて、根は繋がっているのでは?なんて考えもあるそうですよ。ロマンがありますね。そしてこの保護林の北、原生林の立入禁止区域にはこの平安杉以上に巨大な芦生杉が確実に存在するだろうとも言われています。
この群生地も今はまだ立入禁止まではいかない”ガイド同行推奨区域”ですが、いつかは人間の立ち入れない禁足地になってしまうのかもしれません。この時代に生まれ、この異形の巨樹たちに会えて本当に良かった…そんな充足感を得つつ、ゆっくりと山を下るのでございました。
片波川源流域の伏条台杉群生地 “平安杉”
京都府天然記念物指定地区
樹齢 約800年
樹高 30m前後と思われる
幹周り 15.2m
コメント:2
- 狛 18-04-12 (Thu) 19:35
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やっぱりグロ……凄まじい形相の方々ばかりですね。なげ木にてばさ木……。
おっかないけど、ぜひ探検して未開のゾーンの主のような巨樹(この場合「巨獣」かも)にお目にかかってみたいものです。
かつての杣やマタギなんかはそれを知っていたでしょうが、それも失われ、この現代に未だ未知があるという、何ともワクワクしますね。
話によると佐渡の奥地や隠岐や三宅島なんかにもものすごいのが鎮座しているらしい。
巨樹を見始めると、屋久島だけじゃねえぞ、と、日本古来の森が主張してくるように思えてなりません。
いやあ素晴らしい森です。
雪のない平坦なこちらでは全くみられない凄まじさ。
やはりまた出かけて行くしか! と心に決めました(笑)。
どうかまた遊んでやってください。 - to-fu 18-04-13 (Fri) 17:27
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> 狛さん
巨獣、、、巨樹と呼ぶよりもそちらの方がシックリ来ますね!
何というか、木が野生化するとこんな感じなんだろうなーと。
この国の奥地にはまだまだ知られざる巨樹が存在するんでしょうねえ。
考えるだけでワクワクしてきますが、そこへ至るにはこの群生地への道のりがまるで天国への階段のように思えるくらい酷い悪路が待ち受けていそうです。ああ恐ろしい。
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