晩夏の瀬戸内旅 2024

PENTAX 645Z / PENTAX smc PENTAX-FA645 MACRO 120mm F4

午後はマクロレンズに持ち替えて島を散策。
ヤギさんたちが草をむしゃむしゃ食べるのをただぽけーっと眺めていた。

俯いて黙々と草を食すヤギさん。延々と。エンドレスで。
これがまあ見ていて面白い光景かというと当然そんなことはなくて、感想は「しかしよく食べるな…」しか出てこないという。
さらに常に小刻みに動き回っているものだからPENTAX中判マクロレンズのAFには少々荷が重い。
たぶん100枚以上撮ったと思うけどピントがしっかり合っているのは僅か10枚ほどではないだろうか。

FUJIFILM X100VI

とはいえ決して面白くない=退屈というわけでもない。
たぶん1時間くらいは食らうヤギさんたちを眺めていたはず。
こんなところに来てまでせかせか動き回らなくてもね。
今日見られなかった景色は明日見ればいいし、明日もダメならまた来たらいい。そんなスタンスで。

晩夏の瀬戸内旅 2024

PENTAX 645Z / PENTAX smc PENTAX-FA645 33-55mm F4.5 AL

やはり太陽が覗いてくれると陰影が出て色味もグッと引き締まる。
撮影のしやすさで言えばフラットな曇天に分があるのだけど、この姿と比べてしまうと「やっぱり晴れだわ…」と唸らざるを得ないのだった。
そして気付けば既にお昼前。結局午前中いっぱい大クスの前だけで過ごしてしまったことに気付く。

楠ノ倉の展望台へと移動。
虫よけのために羽織ってきた長袖を脱ぎ捨てて爽やかな潮風を浴びると、うおー!これだぜ!と叫び声を上げたくなる。いえ、上げませんけど。
心を殺してただただ無気力に史上最悪の酷暑を乗り切ってきたけれど、また志々島に来るために頑張ろうと気合が入った。
帰宅してなお続く終わりなき夏にいいかげんウンザリして、またも心が死にかけている今日このごろですが。

もっと旅に出るためにも気合い入れて行くぞ!と仕事を増やすと旅に出るための時間が無くなる地獄のようなアンビバレント…

オリンパス E-M10 Mark IV を何度も仕入れたがるショップもある

如何に相手を煙に巻くか、的な? なかなか面白かった。
フルサイズのレンズはデカい!と連呼するわりにはフルサイズ用レンズの設計そのままのシグマ製超望遠レンズを堂々と自社ブランドで販売していたり、欧州市場で一定の需要があると言うE-M10 IVが(OM-5も)未だにtype-C非対応だったりと発言内容が矛盾に満ちていますが、元OMユーザーとしては5年後OM SYSTEMが存続できているか非常に興味があります。はっきり言ってOMには良い思い出がありませんけれど、別にさっさと潰れてしまえとも思わないわけで。選択肢は多い方が楽しいに決まってますから。よく私は〇〇派!みたいに自らメーカー縛りする剛の者がいますが、あんなものはゲームの縛りプレイと一緒です。私はメーカー社員でもマゾヒストでもないので全く共感できません。とりあえずJIP傘下では全く期待できないので、どこかいい身売り先が見つかるといいなあ。

Diary

Nikon Z f / Nikon NIKKOR Z 28mm F2.8

閑話休題。
日光が射すととてもきれいなポイントで、いつも立ち止まって見とれてしまう。
そして今日も蚊に刺されまくるのだった。

Nikon Z f / LIGHT LENS LAB V2LC 35mm F2 周八枚

しかし暑い。
昨日の京都新聞の記事によると今年の京都市は年間の45%が夏で既に四季の概念が崩壊している、とのこと。
体感ではこの10年くらいはとっくに年間の半分以上が夏で、四季なんて随分前から消失しているように感じる。
薄手のジャケットとかカーディガンとか本当に買わなくなりましたからね。買ったところで着る機会がない。
とりあえずTシャツ一枚でうろうろ歩き回るのも流石に飽きたので、いいかげん衣替えさせてくれないか。

京北や美山の山奥ではそろそろ紅葉が進み始めていると思うのだけど、このくそ暑い中紅葉を楽しめるか?と言われるとNo thanks.なんだなあ…

晩夏の瀬戸内旅 2024

PENTAX 645Z / PENTAX smc PENTAX-FA645 33-55mm F4.5 AL

645Zで巨樹撮影するならDA645 28-45mmが必要なのではないか…
そんな欲求を抑える、あるいは買う覚悟を決めるため、今回この33-55mmで勝負してみたかった。
やっぱりフルサイズ換算約27mmスタートのこのレンズでは窮屈さを感じるし強烈なフリンジは如何ともしがたい。周辺の画質もやや不満。

ただまあ妥協できる範囲ではあるかなと。
よりワイドに撮りたい、撮影条件が悪いなら素直にGFXを持ち出せばいいだけの話で。
撮影条件が良好なときだけ持ち出せる最高に楽しいオモチャ。645Zの立ち位置はそれくらいでちょうどいいのかもしれない。
発動条件が限られた必殺技みたいで何となくカッコイイではありませんか。

というか28-45mmって1.5kgもあるんです。645Zと合わせたら約3kg。
冷静に考えたらこれ手持ちでウロウロ歩き回る機材じゃないよな、と。

今の体力なら撮れる。若さでカバーできるなら今のうちに使っておいた方がいい。ええ、分かります。分かりますとも。
しかしそれは膝をぶっ壊した私に言わせると、あくまで関節の寿命を前借りしてパワーに変換しているだけの話ですからね。
目には見えなくとも確実に寿命をゴリゴリと削っているし、一度ガタが来ると二度と回復することはない。関節とはそういうものです。

今回の旅でもぐっすり眠って目を覚ました私が真っ先に確認するのが「膝は動くか!?」でしたから。
要は「28-45mm?ないわー。」が私の結論。

そういえば冬に備えてリコペン公式ストアで処分価格になっていたフォトグラファーグローブを購入しました。
ちょうど送料分くらいのポイントが中途半端に余っていたので。

ちなみにフィンガーレスタイプを購入。私は真冬の海釣りでも手袋はフィンガーレスタイプ。
指全体覆うタイプは論外として、3本指の指先だけ出すタイプでも操作中の違和感ものすごくて。
あんなもん温かいのか?と思われるかもしれませんが、手首が温まるだけで体感温度がまるで変わります。
まあ、そりゃどれだけ取り繕っても全体覆うタイプの方が温かいに決まってますが 笑

晩夏の瀬戸内旅 2024

PENTAX 645Z / PENTAX smc PENTAX-FA645 33-55mm F4.5 AL

たかが人間ごときが作ったカメラなる道具では到底写しきれないあの迫力。それでも全力で向き合うのです。
うろうろ歩き回りながら集中力を使い切るまで撮影すると全身が充実感と疲労感で満たされる。
そんなランナーズハイにも似た状態でベンチに腰掛けて、ぽけーっと大クスを眺める時間がたまらなく好き。

つくづく巨樹撮影はポートレート撮影とよく似ていると思う。
天候や時間帯が悪く光の状態がよくないと撮影側もテンションが下がるし、何より相手に失礼な気がして撮影枚数も少なくなる。
かといって曇り空を青空に加工するとかそんなインチキでは意味がないのだ。不自然な代物しか出来上がらないし、何より自分が楽しくない。

せっかく決して安くはないお金と時間を費やして遠征するのなら、その辺もっと見極めて撮影すればいいのに…
常々そう考えるのだけど、私は「今行きたい、今だ!」となったら道理を押しのけてでもその瞬間撮影しに行きたくなってしまうんだなあ。

ただ、無茶でも何でも熱意を持って動くとカミサマなのか何なのかよく分からない不思議な力が手助けしてくれることも少なくない。
ほら天気予報が外れて日が差し込み始めた。こんな小さな奇跡にいちいち喜び感謝することも写真趣味の醍醐味だと思うのです。
全ては計算どおり!だとたぶん面白くないのではないか。カミサマパワーが降りて来なくて敗走したとしても、それはそれで良い思い出だ。