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旅の断片


PENTAX 645Z / PENTAX smc PENTAX-FA645 45mm F2.8

島に上陸し、まずは何よりも先に食料品を冷蔵庫に放り込む。
くそ重いスーツケースと大量のエビスビール、金陵の4合瓶から解放されると嘘みたいに身軽になった。
いや、嘘です。645ZとGFX50SII、そして三脚とペットボトルの装備だけでも充分重い。

別に急いで大クスに会いに行く必要もあるまい、ということで早速1本目のエビスビールを解禁して庭からぼけーっと瀬戸内海を眺めていた。


島の猫がお出迎え。名前はノスケという。
他の猫たちは警戒心が強く一定の距離感を保っているのに対して、ノスケだけは人懐っこく寄ってくる。
ただし触ろうと手を伸ばすと逃げていくのだった。(早朝だけは腹を空かせているからか、やたら愛想を振りまきながら足元に擦り寄ってきた。)


今回出発直前まで悩んでいたのが645Zに装着するレンズについて。
対大クス用にベストな33-55mmか、あるいは万能レンズっぽく使える45-85mmか。いっそ複数本持って行くか。

結局大クスはGFX + 20-35mmに任せることにして散歩スナップ用の45mm単焦点1本に絞ることに決定。
今回ズームレンズは巨樹用の20-35mmだけでその他はGF110mm、XF35mm、そしてこのFA645 45mmと全て単焦点レンズで揃えてみた。

結果的にこれで大正解。
旅先で見たものを全て持ち帰る必要なんてない。そのとき撮れるものだけ撮って、撮りこぼしたものがあればまた訪れればいい。
旅を楽しむのに最適なおおらかさみたいなものが単焦点レンズにはあるように思う。
写真なんて記憶の断片が残っている程度でいいんだ。あとは目で見て体で感じられたらそれでいい。
今回の四国旅で、ばかみたいに重い上にクセの強すぎる645Zが少しだけ自分に馴染んだように感じるのが嬉しい。

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