- 2025-06-30 (Mon) 17:32
- FUJIFILM GF 20-35mm F4 R WR | ヒノキ | 岐阜県 | 巨木たち(地域別) | 巨木たち(樹種別)
FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 20-35mm F4 R WR
早朝に同じ下呂市内の小坂で「落合のトチノキ」を眺めて向かった先がこちらのヒノキ。
ご覧のとおり個性的な姿をしており、今回の旅で絶対に見ようと決めていた巨樹の一つでした。
もう何か冒頭の写真からアレですよね。このヒノキ、只者じゃあない。
現地には駐車スペースがないため41号線の少し南側、神明神社脇の路肩に停めさせていただきました。
朝早かったこともあり交通量がまばらでしたが日中はどうか分からないため、事前にめぼしい駐車場所をリストアップしておいた方がよいかもしれません。
ちなみに神明神社境内に「坂下のケヤキ」あり。後日そちらも記事にまとめるつもりです。
さて、神社からほんの少し坂道を上がると十二本ヒノキへと続く登山道の看板を発見。
そこから5~10分程度山道を登ることになります。
要所要所にこのような道しるべが立っているため迷うことはないでしょう。
「おお!これがあの十二本ヒノキ、おヒノキ様か!!」
実のところここへ至るまでに木陰からチラチラと異様な姿が見え隠れしていたわけですが、流石に正面に立つと興奮を抑えきれません。
友人の狛さんがこちらのヒノキを訪問されたログを読んで以来、私も必ず見に行かねばと心に決めていたのでした。
十二本といっても根本はしっかり一つの巨大な塊と化していて紛れもない一個体の巨樹としての風格が漂う。
同じ岐阜県内でも高山の「七本さわら」や郡上の「白山神社の六本ヒノキ」など見てきましたが、こちら12本ですからね…6本の倍ですよ?(当たり前だ)
うーん…ヤマタノオロチ?ギリシャ神話だとヒュドラ的な?首を切り落としたら増殖して再生するとかいうあいつそのものじゃないか。
神々しいとか気品があるとかそんなタイプではない。もっとこう、暗闇の中からグワッと迫ってくる感じ。
巨岩を抱え込み身を乗り上げながら生長する様には、今にもそれぞれの首が襲いかかってきそうな迫力がある。
いえ、バケモノなんて失礼な言いようですが他に何と形容したらよいやら。
単純に寄せ植え合体樹として国内でも上位の本数では?奈良県が誇る「高井の千本杉」に匹敵するモンスター巨樹の一角と言えましょう。
岐阜県指定天然記念物「坂下の十二本ヒノキ」。サカシタではなくサコレと読みます。
御神木でもあるのかもしれませんが、神木ではなく霊木として崇められてきたというエピソードがこの巨樹らしい 笑
そうそう「おヒノキ様」。この姿を見てしまうともうおヒノキ様としか呼べなくなってしまう、有無を言わせぬ説得力があります。
こちらが「ヒノキが十二本眺められるポジション」だそうです。(現地にそう書いてある)
さあ、十二本数えられましたか?
うーん。何度数え直しても十二本は…まあ私がこういうのを数えるのが苦手なだけで十二本あるのでしょう。
ヒノキのまわりをぐるっと一周歩いて回れる配慮が嬉しい。
もし視点が限られていて、本当にこれ十二本もあるの?となったら悲しいではありませんか。
どうぞお好きなだけ見て数えて帰ってください。ほら12本あるでしょう?そんな誇りを感じます。
この手のド迫力系合体巨樹は眺める位置によって迫力、表情が大きく変わるので、そういう意味でも多方向から眺められるのはいいなと思いますね。
目の前はきれいに草が払われており、ベンチまで置かれている親切さ。
何気なく座ってしまうけれど、この重い鉄製のベンチを抱えて山道を登ってくれた方がいるのだと想像すると頭が下がります。
この日は運良く今季最後の涼しい朝で実に心地よく結局2時間近くこの場に滞在してしまいました。
(そういえば路肩に車停めっぱなしだ!と慌てて撤収。神明神社さん申し訳ありません。)
どこから眺めても見栄えがいいヒノキですが個人的にはこの角度からの眺めが好き。美しい。
決して日当たりがいいとは言えない立地だけど枝張りも良く、まだまだ生長してくれることでしょう。
岐阜県の巨樹というとやはりスギやヒノキ、サワラなど針葉樹の印象が強く、そうそうこれだよ。これが見たかったんだ!と満足の一本でした。
色々な角度からしつこく数え直してみるとたまに12本数えられるときがあるのだけど、お!12本!?と改めて数え直すと10本、11本に減る不思議 笑
幹周6.0mは10mクラスの大杉を多数擁する岐阜県では目立ったサイズではありませんが、そんなこと関係なしに満足度の高い巨樹だと思います。
だってこの迫力に目線の高さの幹の太さとか何か影響あります?
2025/6/12訪問
「坂下の十二本ヒノキ」
岐阜県指定天然記念物
樹齢 推定500年
樹高 23m
幹周り 6.0m
岐阜県下呂市小坂町坂下
※現地では寄せ植えの合体樹だろうと思い、実際探訪記としてもそのような書き方をしているのですが、岐阜県公式サイト(文化伝承課)にて「この付近には、ヒノキの実生の幼苗が根元から数本ないし10数本に分岐しているものがみられるが、この形質は遺伝的なものと考えられる。」との記載を発見しました。「複数のヒノキの寄せ植えではなく遺伝的傾向でこのような樹形をした単体のヒノキ」である可能性が高そうです。恐らく県内の七本さわらや六本ヒノキも同様なのでしょう。
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コメント:2
- RYO-JI 25-07-01 (Tue) 21:50
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ヒノキ界の異端児ですねぇ・・・といったらおヒノキ様に怒られそうです。
しかしこれは実際目にしたら物凄い迫力でしょうね。
幹周こそ控え目ですが、それでもヒノキとしては相当な大物。
これを二時間も独り占めできただなんて羨ましいです。
霊木ともなれば通常の巨樹と対峙する時とはまた違った感覚になりそう。
これは自身で確認するしかないですねぇ、いやぁ、必見ですね。
そして12本と言われたら数えたくなりますね(笑)。 - to-fu 25-07-01 (Tue) 23:19
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> RYO-JIさん
まさに異端児。(ごめんなさいおヒノキ様)
特殊な遺伝子を持つ個体がここまで巨大に生長しているわけですから学術的な価値も相当なものでしょう。
ヒノキの見どころはは幹よりも枝張りにあると思っているので、5m級でも十分満足できることが多いですね。
愛知県の「切越の夫婦ヒノキ」なんか凄まじい迫力ですが、せいぜい4mくらいだったはずです。
RYO-JIさんも是非数えて私の敵をとってきてください 笑
あの辺は温泉だらけですし朝っぱらからケイチャンまで楽しめますから巨樹以外も最高ですよ。
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