【再訪】愛媛県四国中央市　大川の大樟（大川のクスノキ）

FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 20-35mm F4 R WR

近くを通ることがあれば必ず再訪しようと心に決めていた個性派クスノキ。
約7年ぶりの再会ということでドキドキしながらやって来ましたが、素晴らしき立ち姿は未だ健在でした。

相変わらずの狭路っぷり。ちなみに目的地はこの右手奥、現地に駐車スペースはありません。
GoogleMaps上の「大川のクスノキ」登録地点から約200mほど手前が三叉路になっています。ここに謎の漁船が打ち捨てられており、その前だけ道幅が大きく開けているので、私は今回そちらに車を停めさせていただきました。遺棄された漁船を目印に向かえばよいかと思います。

谷間を流れる渓流を渡った先に巨大な樹冠が見える。
パノラマで見せることが出来ず残念ですが樹冠、清流、そして古びた橋というロケーションが良くテンションも上がります。
しかしうーん、前回も天気がイマイチだった気が。（前回は強風＆雪までぱらついてきて早々に敗走した記憶…）

おおー、これですよこれ。この圧倒的な根回り。
これが見たかったんだ。

そしてデカい！
多くの巨樹を眺める中で特に印象に残るものは、やはりシンプルに巨大なものか個性的な形状をしたものではないかと。
個性的な姿でさらにデカいのだから印象に残らないはずもなく。うーん、文句なしにいい巨樹だ。

そういえばこの大クスの幹には触れたことがないのでした。
根回りが広大すぎて幹に近付くどころか、そもそも足場の確保すら困難な状態。
遠巻きにぐるぐる回って眺めるだけでも根を踏んで傷つけてしまわないよう気を使います。

根回りは驚きの35m。
徳島県吉野川市が誇るビッグフット「井田の大楠」の根周りが32.1mなので、それすらも上回るという。
井田の大楠も実に素晴らしいクスノキでした。未見の方はぜひ。

そうそう、根の隆起があまりにも肥大化しすぎたため薬師堂をわざわざ移動させたというお話がありました。
たしかに今見ても薬師堂側だけ根回りが欠けたような形になっています。
恐らくかつてはその辺りにお堂が建っていたのではないか。
地元の方が巨樹を敬う気持ちが窺える、私の大好きなエピソードです。

単幹でスラッと背の高いタイプなので写真で見ると幹周の数字よりスリムに見えがち。
まるでスギの巨樹のようなジレンマを抱えたクスノキです。
が、実際に根本に立つと流石にデカい。10mクラスは伊達じゃない。

人里のドーンと開けたスペースに立つことが多いクスノキ巨樹の中で、ここまで「陰」の気配を感じるものも珍しい。
決してネガティブな意味ではなく、そんな空気感含めて個性的で好ましく感じるのです。

まあ、単純に私が訪れると必ず空がどんより曇っていてそう感じるだけなのかもしれません 笑
しかし天候関係無しに薄暗くてじめじめしているのは間違いないと思うんですね…藪蚊がすごかったし。

とはいえこの大クスの何が凄いって、やはりこの根回りに尽きる…
鉄板にチョコレートの棒を押し付けたらぐにゃーっととろけた、みたいな。
恐らく地中では境内全域、渓流にまで達しているのではないでしょうか。

なんというか、もう床だなこれは。
巨樹愛好家なら一見の価値あり。

対岸から大クスを眺める。
側で眺めると背の高さがいまいちピンと来なかったりしますが、こうして眺めると流石にデカいです。よく目立つ。

素晴らしいクスノキでしたが次回は晴れているときに来てみたいですね。
あとは真夏以外で…35℃超えの9月は数十匹の蚊が全身に群がってきて撮影どころではありませんでした。

2025/9/18訪問
「大川の大樟（大川のクスノキ）」

※詳細なデータは過去の訪問ログをご参照ください。