和歌山県紀の川市 九頭神社のクロガネモチ

FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 35-70mm F4.5-5.6 WR

ムクノキ巨樹を堪能した我々が向かった先は同じ紀の川市内、車移動ならほとんど目と鼻の先に鎮座するこの九頭神社。
立派なクロガネモチの巨樹が生えているということで時期的に美しい実を付けた姿が臨めるのでは?と楽しみにしていたのですが。
まあ、ご覧のとおり少し早かった感は否めず…

それにしても何と樹形の美しいクロガネモチだろう。
この樹種特有と言いましょうか、巨木クラスになると自然と手のひらのようにぐわっと大枝を広げるものが多い気がします。
末広がりで如何にも縁起が良さそうな立ち姿は神社の御神木にぴったりに思える。

なおこちらの麻生津九頭神社。
我々地名の読み方が分からず難儀したのですが「あそうづ」ではなく「おおづ」と読むようです。
おおお、たしかに「おおづ」で変換すると「麻生津」が候補に上がってくるではありませんか。どうでもいいことに感動。
祭神は素戔嗚尊と稲田姫命ご夫妻と、その子孫とされる大国主命。

我が家の近所のモチノキたちはとっくに実を付けているので期待したのですが、11月中旬では少し早かった模様。
悪名高い盆地・京都よりも気候が温暖だからでしょうか。紀の川周辺がそこまで温暖な気候なのかどうか分かりかねますが。
(以前和歌山の方が「この辺は暖かいからみかんが一年中採れる」と仰っていたので和歌山県=温暖なイメージしかない。)

枝ぶりがよく樹勢も旺盛。
周辺がロープで覆われていて構図が限られてしまうのは残念だけど、それでも撮影が楽しいクロガネモチだ。

花や実を付けている時期はもっと見栄えが良いであろうことは間違いなく。
鮮やかな葉の緑、たくさんの赤い実、そして青空!なタイミングで眺められたら大勝利間違いなしでしょう。
まだ花が咲いた状態のクロガネモチ巨樹を眺めたことがないので来年挑戦してみたいところです。

重要文化財、天然記念物申請中とのこと。巨樹の重文はちょっと聞いたことがありませんが。
幹周4.4mにしてこの美しい樹形。市の天然記念物指定は間違いなさそうに思えます。
我々も「え?これが無指定なの?」と驚いたくらいですから。

2021年に撮影された写真を見るとまだロープが張られていなかったようで、恐らく天然記念物申請と共に保護されたのでしょう。
撮影の自由度が下がってしまったのは残念ですが、ここまで立派な巨樹なら保護優先もやむなし。
小高い丘の上に位置しており、よく晴れた暖かい日にパンとコーヒー持参で訪れたくなる気持ちのいい神社でした。

なお拝殿裏手に目測で(恐らく)幹周5mクラスのクスノキが2本。

こちらも未来の天然記念物候補でしょうか。境内でかなりの存在感を放っていました。
かつては本殿裏側の社叢に県指定天然記念物のシラカシも存在したそうですが、こちらは枯死したのか既に消失しているようです。
もしかするとクロガネモチ天然記念物申請のきっかけがシラカシの枯死なのかも。勝手な想像ですが。

2025/11/13訪問
「九頭神社のクロガネモチ」
樹齢 推定250年
樹高 18m
幹周り 4.4m

和歌山県紀の川市麻生津中1

2件のコメント

  1. 『おおづ』でしたか!
    まったく想像もつかない読み方でした、というか事前に調べておくべきでしたね(笑)。

    このクロガネモチの印象はとにかく樹形が美しい、これに尽きるように思います。
    少し離れて全体を見ているだけで心が落ち着きます。
    もちろん近付いて見上げても樹勢の良さに感服する訳ですが、いい巨樹でしたね。
    私も花が付いている時の姿を見てみたいと思いましたよ。

  2. > RYO-JIさん
    おおづ、は読めませんね 笑
    難読地名は巨樹めぐりの天敵です。

    本当に美しいクロガネモチでした。スカッと快晴だったらさぞ映えることでしょう。
    鮮やかな色味に飢えている真冬が真の狙い目かもしれません。
    茶色一色の景色の中、高彩度な緑と赤に癒やされそうです。我が家からもう少し近ければ…
    花や実のタイミングに合えば、例のアコウ方面の帰りにでも立ち寄りたいですね。

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